海軍大将は、最良の「教育者」であった。

 教育(Education) の英語の語源は Educe, 要するに”ひきだすこと”である。

それぞれには個性もあり、異なった人格もある。そこをひきだそう、伸ばそうと

しないでどうして教育といえるのだろうか。

一般に勉強といえば、本を読む、本を勉強することだが、

「考えよ」ということに第一に着目する人は少ない、

しかし、人が本当に知り得たものとは、既に自己の熟考を経たるものに

限られる、いかに多量の知識があるとも、それが自己の思慮によって

咀嚼したものでなければ、その価値は僅少の知識よりもさらに少ない。

「思考力の養成」が教育の最大の目的であると。

(宮野 澄著「最後の海軍大将 井上成美」より引用)

コロナ禍の今、求められるは「思考の力」である。

海軍大将/海軍兵学校長 井上成美 (いのうえしげよし)

(1889年ー明治22年12月9日~1975年ー昭和50年12月15日)

戦時下に英語教育を推し進めた人でもあった。

(了)