誰も言わない「消費税」の核心
そもそも消費税に対する本質的な違和感は、その逆進性にある。
税率を上げようが、下げようが、低所得者と富裕層が同率では、根源的な問題は全く
解決しない。
下がれば低所得者には本来は有り難い話だが、ましてコロナ困窮の中では、
そもそも金がないのだ。
以前にも書いたのだが、消費税は、その累進性が正しいのだと思う。
商品のプライスラインごとに、安価なものには税率を低く、高価なものには
高い税率を課せば良い。肉一つとっても、安いものから、高価なものまである。
物の質的差異はあるが、貧も富も、購入力相応の「肉」は食べられるのである。
一方、消費税を”ゼロ”という意見もあるが、大きな意味では低所得者対策にはならないし、これが国会を通るとも思えない。
ことは情緒的な話ではないのだ。
そもそも貧と富は、才覚にのみ起因するわけではない。背景には相当量の努力がある。
さて、富を大企業として、いかに高額納税をしたところで、世の中の全インフラをまかない切れまい。しかし、大企業の行動半径は広く、社会的インフラの利用率は格段に高い。
貧と富、それぞれの納税額合計の比率がどの程度のものか知らないが、いかに小企業とはいえ9割が中小企業であることを考えれば、小の虫が束になって相当量のインフラを支えていると言える。
しかし、大企業は相当の成果を手にするのである。
累進性消費税で応分の負担をすることに合理性はあるのだ。
(了)