非常な政治の前で

これがまともな庶民感情だと思いたい。どうか”復興”の後に「五輪」と付けないで欲しい。ましてや復興のエリアはひとり東北に限ったことではない。現下の日本は五輪に浮かれている場合ではない。確かにアスリートは半面で我々に夢をプレゼントしてくれる。そのことを弁えた上で、それでもなお、大地震、大型津波、大型台風、事実上処理不能原発被災、今なお大きな悲しみに耐える多くの国民がいることを忘れまい。あらゆる国家予算が、最優先に「復興」に向かうことを願うのだ。日本人の品性が、「悲劇」を決して忘れまいと叫んでいる。深い悲しみが五輪開催で癒えるとは思わない。

(了)